私立大学の理系学部が苦戦する原因とは?学費や進路選択の観点から考察します
- writetutoringschoo
- 2 日前
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山梨県甲府市にあるライト学習塾教室長の吉矢です。
昨年度の入試において、私立大学の理系学部では、定員割れとなった学部・学科が40%にのぼることがわかっています。
なぜ、理系学部が苦戦をしている原因は何なのでしょうか?
日本の大学では、海外と比べても文系学部の比率が高く、理系学部の割合が低い状態です。そのため、政府も積極的に理系学部を増やして、理系人材増加を目指そうとしています。ところが、実際に理系学部を新設してみたものの、募集人数に届かない私立大学が多かったのです。
原因の1つに、理系学部は文系学部と比べると学費が高いという面があります。
私立の文系学部の年間の学費は
約80~120万円
に対して、
私立の理系学部の年間の学費は
約120~180万円
かかると言われています。
また、医学・歯科系はさらに高く、
約250~450万円
程度かかると言われています。
文系学部では、資料収集や現地調査などを通してデータを集め、分析を行うことが多い一方で、
理系学部では実験を伴うことが多く、大学側としては実験に掛かる費用等を学費として徴収せざるを得ない部分があるためです。
また、それ以外にも施設使用料が別途徴収されたりするケースも多く見られます。
そのため、学費面を理由に理系学部への進学をためらう家庭も少なくないと考えられます。
また、原因のもう1つが、理系学部は受験の時に既に進路が細分化されすぎていることです。
文系学部では、
文学部 経済学部 法学部 ・・・
などがあります。多くの学校では大学入学後、2年次・3年次などでコースが分かれて、自分でコースを選択する自由が多い特徴があります。また、経済学部と法学部などの場合は共通する授業などもあるため、転部などの自由も利きやすいと言えます。
それに対して理系学部では
理学部 工学部 農学部 医学部 ・・・
などの学部がありますが、受験の段階で既に
理学部〇〇科 や 工学部〇〇科△△コース と分けて募集をするところも多く、
他の学科やコースへの転科・転部が難しく、授業も固定されやすいという不自由な面が見られることが多いです。
大学で何を学ぶのか。それは受験の段階である程度目的意識を持って決めていればもちろん良いことです。
しかし、高校生の多くは自分の将来の職業について具体的に決めている子はほとんどいません。
文系学部の場合は、大学入学後にまだ自分の将来について考える時間を持つことができます。
しかし、理系学部の場合は大学入学と同時に自分の進路がある程度決まってしまうと言えます。
もちろん、実際には大学の理系学部に入ったからと言って、例えば営業職などの道を選んでも構いませんし、学部の専門系から外れた職種に就くことだって可能です。
しかし、その可能性を大学受験時に考慮する高校生はあまりいません。また、多くの高校では高校2年生頃に文系・理系を選ぶことも多く、将来が未確定な場合、教科数が少ないが、職業選択の幅が広そうな文系を選択する子も多いのです。
私立大学の理系学部が苦戦をしている現状を考えると
①大学側はコースの選択の幅を拡げて、2年次などから選択できるような設計をすること。そして、学科・コースに細分化していたため、募集人数も細かく分けていたところを大きな枠として募集するようにすること。これが解消の手段の1つと言えます。
②学費を抑える工夫をすること。これは国や地方公共団体からの支援が必要です。もちろん各地方の企業や個人からの資金提供や支援を積極的に募集することも必要ですが、新設の理系学部などは不利に働いてしまいます。少なくとも、文系と理系の学費を同等レベルにまでもっていかないと、理系不人気の傾向が解消されないと思います。
③文理系選択をしない(遅らせる)高校を作る。高校では学力上位校でも、文系の比率が多いところもあります。例えば、理系では数学Ⅲが必要だったりしますが、文系では不要です。理系の子どもが文系学部を受験することは可能ですが、文系の子どもが理系学部を受験することは非常に難しくなります。そのため、受験を意識した学校ほど、文理に分けることをせず、初めから理系進学にも対応できるカリキュラムで授業を進めることで、理系学科も受験できる子の母数を増やすことが可能になると思います。
理系学部には理系学部の魅力がふんだんに詰まっています。受験を考えている子や保護者の方は、子どもの将来について選択肢を考えてみられるのも良いのではないでしょうか?
ライト学習塾教室長
吉矢武司

